「明治座の変 麒麟にの・る」の話。①
2019/12/28〜12/31、明治座にて行われた公演、「明治座の変 麒麟にの・る」の第一部感想ブログです。
公演ネタバレを多々含むので、円盤をネタバレ無しで楽しみたい方などは今すぐブラウザバック!!!!!(ブラウザバックってもしかしなくても死語じゃない?)
公式サイト:https://le-hen.jp/
今回わたしは29日〜31日の計6公演観劇しました。どんだけ観んねんと自分でも思いました。でも観る前も観た後も、6公演観劇したことにひとかけらも後悔はしていません。出来ればいっそ全通したかったな。(迫真)
とりあえず感想の結論から言うと、「本当にめちゃくちゃ泣いたしめちゃくちゃ笑ったしめちゃくちゃ良かった。めちゃくちゃ良かった。めちゃくちゃ良かった。」です。
こんなにも演劇で心が揺さぶられたのは初めてでした。わたし自身観劇経験が浅いのでアレなんですけど。6公演観て6公演泣いた。る変、本当に本当にめちゃくちゃ良かった。全世界に観て欲しいと思った。
ちなみにわたし今回は本当に強運がすごくて。運つよしくんと呼んでください。る変の稽古場見学会にも当選したんです。(稽古場見学会感想記事はこちらhttps://boxpushdashi.hatenablog.jp/entry/2019/12/12/163408)
見学会で観たシーンを本編で観た時、「アッ!!!!!これ!!!稽古場見学会で観たシーンだ!!!!!」とさながら進研ゼミの漫画のような言葉が脳裏に浮かびました。気持ちが良かったです。うっとり。
◉毎回恒例のオープニング
今回はパイロットとCAに扮したキャスト達が「いらっしゃいませ!」とお出迎え。(日替わりでめちゃくちゃ面白い声色だったりして最初から笑った)
令和元年の京都から1582年の本能寺へのフライト。飛行時間は約4時間を予定しております。ごゆっくりフライトをお楽しみください。とのこと。ほんとなんていうか、語彙力がなさすぎて上手く言えないんですけど、こういう始まりから舞台本編に入るこの感じ、大好きです!!!!!!
◉きりんと飼育員の田村さん
る変の題材は「本能寺の変」。
事前公開されていた設定はザックリ言うと「歴史オタクの青年がきりんに突進されて、気がつくと戦国時代へ。そして青年は竹中半兵衛にさせられる。きりんは織田信長を探している。」って感じでしたが、観た感じ結構事前のあらすじと変わった?違ってたな?って印象です。
マサチューセッツ工科大学に留学していた経験もある根っからの理系だけども歴史もそこそこ出来る、令和に生きる「竹中」くんが、突然現れたきりんと飼育員の田村さんに「竹中半兵衛になって!半兵衛が死ぬところまででいいから!」と頼まれ、有無も言わせずタイムマシーンに乗せられ、稲葉山城へ。そこで豊臣秀吉と石田三成に出会い……という始まりでした。
今回の客席いじり激しすぎてめちゃくちゃ笑った。まさかの座席と座席の間を無理矢理通るきりんさんと田村さん。面白かった。2列目の方々が羨ましかった。
◉紙芝居のおっちゃん
「紙芝居を見る時はお菓子を食べながらじゃなきゃだめだよ」「金平糖がロビーのエスカレーター横の「花かご」さんで売ってるよ」とさりげなくダイレクトマーケティングをしつつ現れる紙芝居のおっちゃん。粟根まことさんめちゃくちゃキュートですね。好きです。
「4時間後には金平糖がとっても欲しくなるからね」なんて台詞が、後々の伏線だなんて初見のわたしは知る由もなく–––––観劇2回目以降のわたしはその意味をよく知ってしまっているので泣きそうになりつつ–––––「きりん」の紙芝居が始まります。ここでの「きりん」は動物のきりんではなく、神獣の麒麟。
『麒麟は天下人にしか見えない。麒麟を見た者は天下人になる。麒麟を巡って人は争い合う。麒麟は争いが嫌い。満天の夜空を流れた星を追いかけて、麒麟はいなくなってしまう。』という内容を歌いながら進む紙芝居。またこの歌がはちゃめちゃに良くて……メロディーが好きすぎる……かわいくて楽しいのに胸が締め付けられる感じの……。思い出しただけで泣きそう。
紙芝居が終わりおっちゃんが帰ろうとすると、「そして?その後麒麟はどこへ行ったの?」と現れる徳川家康。今回家康はWキャストでしたが、原田優一さんの家康も、内藤大希くんの家康も、どっちもとってもサイコーでした。二人とも歌うますぎ。大好き。
長くてもいいから麒麟の話を聞かせて欲しいと頼む家康に、おっちゃんは昔話を始めます。今回のストーリーテラーは紙芝居のおっちゃんなんですね。
長らく年末のるひま作品を追ってきたわたしには分かりました。「ハハァン(したり顔)このおっちゃん、絶対何かしらの重要人物なんだ(したり顔)」と。しかし今回はわたしの予想が良い意味で裏切られ続けた展開となりました。クゥッ……にくいね……(跪座)
◉NO!I'm Pepper!
ロボットも作れちゃう竹中くんは自作ロボット「ペッパーくん」(?!?)をきっかけに、色々なものを作れる腕を買われて織田軍へ所属。
時代劇なのに突然ペッパーくん出てきてめちゃくちゃ笑った。普通のペッパーくんに海苔みたいな眉毛が貼り付けられただけのペッパーくんだった。時代劇にペッパーくんが出る日が来るだなんて、誰が想像しただろうか?否、誰も想像しなかっただろう。(たぶんペッパーくんのCVは加藤啓さんがやってた)
◉上から信長
信長の登場シーン、まさかのフライング……空を飛ぶ信長……インパクトつよしくん……。フライングだけでもだいぶ面白いのに、下で踊り狂う織田軍の皆さんのダンスが激しすぎて楽しすぎましたね。ええ。日に日に動きが激しくなってて笑いました。複数公演観るとこういう違いがよくわかって楽しいですね。回を重ねるごとに皆がどんどんはっちゃけていくのが好きです。好きすぎます。
◉「もっと僕を楽しませてよ」
辻本くん演じる正親町天皇(おおぎまちてんのう)がめちゃくちゃ怖かったです。神の子。すごろく大好きマン。「正親町」で「おおぎまち」って全然読めなくない????読めなくなくなくなくなくない??????漢字って難しいね。
◉お前が俺で俺がお前で
物語序盤で「明智光秀」が実は「織田信長」だということ、今の「織田信長」は「織田信之」だということ、「明智左馬之助」が「明智光秀」だということが判明します。
初見のわたしはポカーーーン。エッ?光秀が信長で、信長が弟の信之で、左馬之助が光秀????何???????君の名は????????????
本当にもう、こんな設定で本能寺の変をやるなんて感服しすぎてひっくり返ってしまいます。ウワーー負けたーー(ゴロン)
◉るひまの専属ヒロイン
今回のかっちパイセン、めちゃくちゃに美人じゃないですか?!?!?!?!わたし初観劇の回1階の3列目だったんですけど、ほんとに美人すぎて驚いて息を飲んだんですが?!?!?!、!??!今までもそりゃキュートな専属ヒロインでしたけれども?!?!?!今回の煕子の感じめちゃくちゃいいですね……黒髪ぱっつんが似合う……わたしのドツボでした……こ、これがるひまの専属ヒロイン……ゴクリ……。
◉きりんと光秀の初対面
光秀の前に突然現れる「きりん」と、信長に斬られたはずなのにピンピンしてる田村さん。
きりんを演じるのが加藤啓さんだから絶対面白いとは予想してたけど、やっぱり死ぬほど面白かったです。日替わりで階段から降りるコント()をやってらっしゃいましたが、本当に全部面白すぎました。トントントンのリズムで降りろって言ってるのに全然違うリズムで降りるやつとか。「膝丈だぞ?!」「膝丈が一番怖い」とか。「膝丈が一番高い」とか。
天下人にしか見えない麒麟。光秀にはきりんが見えるけど、天下人センサーは反応しない。きりんさんがポンコツだからじゃないですか?なんて言っちゃう田村さん。
る変で「ポンコツ」という単語がよく出てくるのは、たっきーさんへのリスペクトなんですかね。だったら泣いてしまいます。全然違ったらただただ謝ります。ごめんください!!!
◉浅井夫婦
浅井長政とお市は本当に心からお互いを想い合っているサイコーの夫婦です。おしゃべりな長政と、長政の声を聞けるだけで幸せなお市。んもぅベスト夫婦!!!!!ノーベル平和賞あげちゃう!!!!!!!!!!!!!(色々な作品を経て浅井夫婦というものがどの作品でもとにかく好きなわたしは余計に多分に感情移入しています)
祖父の代から恩のある朝倉につくか、親友であり妻の兄である信長につくか選ばなきゃいけなくなる長政。
もうしんどい。しんどすぎる。史実からしてどうなってんの。どうしてこんな残酷な選択をさせるの。神様。ジーザス。a.k.aナザレのイエス。
迷いながらも「信長を裏切ろうとしている」「辛いよな、織田に戻ってもいいんだぞ」と告げる長政に、「でも、それはわたくしのために……。朝倉に味方をしなければ、信長の妹であるわたくしは今まで以上に家臣に非難されます……そのために長政様は……」と言うお市。「それだけが理由じゃない」と長政が否定しても、「でもそのことが……嬉しくて……」と微笑むお市。
もう尊いですよね。尊すぎて泣いちゃいますよね。二人の間にはただただ愛。愛しかない。泣いた。心から通じ合ってるんです二人は。泣いた。お互いがお互いを想い合っている……尊い……幸せになって欲しい…………心から………………。
(ここからは信長→信之、光秀→信長、左馬之助→光秀と表記します。本名の方で表記します。自分でも混乱しそうです。)
◉たまごをかけたごはんがいい〜♪
信長が織田を逃げ出した理由を歌うんですけど、序盤はめちゃくちゃいい感じのバラードなんですけど、サビ直前から様子がおかしいんですよね。目の前に広がるパン……パン……パンの山………………。
平野良くんめちゃくちゃ歌上手いし。歌唱力の無駄遣いとはまさにこのこと。観客全員最初は自分の耳を疑ったと思う。私もそうです。
曲中に戸惑いながらザワザワ笑う観客と、「こうして俺は、織田の家を逃げ出したんだよな」の台詞でザワザワ笑う観客のあの感じ、好きすぎました。
観劇以降、お米を研いでる時とかパンを焼いてる時にうっちゃりこの曲を口ずさんでしまう呪いにかかりました。助けてくだちい。トーストなんかじゃ〜♪力が出ないィ〜〜⤴︎⤴︎⤴︎♪と言いながらパンを焼いてしまいます。助けてくだちい。わたしはお米もパンも好きです。両刀です。
◉牢屋in光秀withきりん
信之に「明智光秀」と名乗るなら織田軍に置いてやると言われ、ほぼ牢屋みたいなところに住まわされる信長。そこに現れるきりん。神獣だから何処にでも現れられちゃうきりん。
信長「お前が見えるってことは、俺ってもしかして天下人?」
きりん「きりん、ポンコツ。だからおまえが天下人かどうか自信ない」
信長「ははっ、俺が天下人なわけねぇか……俺たちポンコツ同士、お似合いなのかもな」
きりん「えっ?////////」
信長「なんだよ気持ちわりいwwww」
はいかわいい。やっぱりアニマルはかわいいですね。愛くるしいですね。
休憩時間の時とか「きりんかわいいよね」って言ってる人を何人も見ました。きりんさんはかわいい。共通認識です。
◉長政の裏切り
信長を裏切り、追い詰められた長政はお市に「すまない。そなたと共におれなくなった。そなたは浅井長政がただ一人、この世で愛した人だ」と言い残し、自刃。そしてその場で信之に命じられて勝家と結婚させられるお市。
もうしんどい。しんどすぎてしんどい。悲しすぎる。浅井夫婦しんどすぎる。浅井夫婦が幸せになれる世界線はどこですか?(血眼)
勝家がお市のことずっと好きだったのは皆にバレバレだし、だからこそ信之はこんなひどい仕打ちをしたんだろうけど、好きだった人を妻にできる喜びよりも夫が死んだばかりだってちゃんとお市を思いやれる勝家も優しいししんどい。すぐに腹を決めて嫁ぐって言うお市も切なすぎて無理…………しんどい…………。しんどすぎてしんどいとしか言えないしんどい。
◉お市の願い
信長が許せない、あの男が生きていれば長政様を思い出してしまう、そうしたら勝家様を本当にお慕いすることなど出来ませんと勝家に告げるお市。つまりそれは信長を殺せと、それだけがお市の願いだと。
「わたくしったら、今日はやけに饒舌で……。仕方ありませんね、おしゃべりな長政様は……もうおられないのですから」
ッッッッッッッッタァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(号泣)
このシーン、観劇6回の内4回泣いた。(1〜3回目と6回目)(4〜5回目はギリ耐えたのに最後は最後でやっぱりダメだった)ウケる泣きすぎ(号泣)
つらい……長政様なんで死んだの……浅井夫婦はどうして幸せになれないの……という気持ちでいっぱいです。無念です。好き合う二人が幸せになれない展開に弱いんです。悲しくて悲しくてただただ泣いてしまいます。つらい。ハァ〜キツツいた!!!わたしとってもキツツいた!!!!!
◉田村さん最強説
きりんさんがポンコツなので、殺して次の代のきりんを産まれさせなければと迫る田村さんに、ポンコツ同士、情が湧いてしまってきりんを見捨てられない信長は、ここは俺に任せて逃げろ!と刀を抜こうとしますが、ここで衝撃の事実。
きりん「田村は神の使いだ!」
エェーーーッッッッ。
飼育員さんってそういうことですか。なるほど。だから斬られても生きてる。強い。これはさいつよ。それでも「勝てるか分からねえけど逃げろ!」って庇う信長。クゥ〜〜ッッッ男前〜〜ッッッ
◉空飛ぶきりん
天下人センサーが突然反応して、信之が建てた安土城に引き寄せられるきりんさん。
「きりん、そっち行きたくない!つかまりたくない!」って叫ぶきりんさんがなんだかすごく切なくて、観劇4回目ぐらいからここでも泣きそうになりました。涙腺がポンコツ化しました。わたしを助けてください。
信之が安土城を、高い高い天守閣を作った理由がまた泣けるんですよね……裏切者を見つけるためってのも本心なんだろうけど、何よりもきっと星が見たかったからわざわざめちゃくちゃ高い天守閣を……クゥッ……
◉麒麟が見え・る
麒麟をついに視認した信之の前で「助けて光秀!きりん、ひとりじゃ降りられない!」と助けを求めるきりんに、信之は「兄には自分より先に麒麟が見えていた、兄は麒麟が見えているのに、麒麟を求める自分を滑稽に思っていたんだ」と激昂して斬りかかります。
そしてまさかの竹中くんも斬られる。作り出したすごい装置で麒麟を見てしまったから。
信之「麒麟を見られるのは俺だけだ!」(某青峰くんを思い出す台詞ですね)
竹中くん「そうか!!竹中半兵衛が死ぬタイミングなんだ!!!僕は現代に戻ります!!でも……みんなと離れたくない……!!!」
三成「よく分かりませんが、戻って生きられるなら生きてください……!!!!」
このやりとりも、なんだかすごくクる時があって。観劇4回目ぐらいで泣いてしまいました。じわじわきた。竹中くんが死んだ後静かに怒って信之に斬りかかる秀吉すこ。三人の間にはちゃんとした絆が生まれてたんだね……ウゥ……(号泣)
ちょっと前のシーンで、秀吉が三成を庇った時に、「一生ついてく(°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥ )」って泣いてる竹中くんすこ。
◉谷戸さんはイケメン
谷戸さんが演じる三成がイケメン設定(※秀吉様だけがそう言ってくれる)なのほんと好きです。谷戸さんかわいすぎる。好き。いちいち髪をファッサッッッッてしてたりするのが芸が細かくて好き。表情の作り方とか超好き。
◉織田夫婦
信之「俺はあなたを必ず天下人の妻にする。あいつの方が良かったなんて言わせない。惚れてたでしょ?兄貴に」
帰蝶「笑えんなあ」
信之「惚れた女のことは分かるんですよ」
帰蝶「……あんたが?……わてを?」
ッッッッタァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーしんどい!!!!!!!!!!もうなんか!!!!!報われない恋が多すぎて!!!!!!!!しんどい!!!!!!!!!
このシーンもじわじわとくるものがあって。観劇4回目ぐらいで泣いてしまいました。泣きすぎ。ウケる。(号泣)
帰蝶のことが好きだったから振り向かせたくて、天下人になりたくて仕方がなかったのかな……だから必死に麒麟を探してたのかな……とか思うとこれまたしんどくて胸にきますよね。はい。(号泣)
何もかも捨てて逃げ出したくせに、好きな女はそんな兄貴に惚れてるし、麒麟もそんな兄貴に見えてるしでそりゃ荒れたくもなるよね。でもちょっとやりすぎだよ信之クン(号泣)
◉「静かで静かでうるせえよ」
続々と信之を裏切る家臣たち。勿論その中にはお市も。
正親町天皇は信長の情報と引き換えに、「おいで。……構わないよね?」とお市を誘います。「今のわたしは幽霊にも似た、恨みや業そのもの」と復讐に燃えるお市はその誘いに乗り、「幽霊を抱いてみたかったんだ」と怪しく笑う天皇と連れ立って歩いて行きます。天皇の台詞でこの後何が起こるのかわかってしまったわたしは半泣きです。
去る途中で鈴の音が聞こえ、足を止め振り返るお市。
正親町天皇「どうしたの?」
お市「今……どなたかの声が聞こえたような…………気のせいですね。……あんまり静かなものだから」
ッッッッタァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!(爆散)
おしゃべりな長政様がいないからーーーーーーーッッッッ!!!!!!!!アーーーーーーー!!!!!!!なんで長政様死んだんやーーーー!!!!!!!!アーーーー!!!!!!!!!!
といった気持ちで死ぬほど泣きました。お願いだから行かないでくれという気持ちで涙が止まりませんでした。そろそろ泣きすぎてドライアイがひどい頃合いですが、まだまだ涙腺フルボッコゾーンは続きます。ジーザス。a.k.aナザレのイエス。
◉名前を失った男
織田を飛び出した信長は、独り考えます。
星を眺めるのが好きで。帰蝶のことが好きなくせに兄との結婚を祝ってみたりして。そんなどうしようもない弟のことを。そして自分が誰なのかを。
「名前を全て失っても」
「あなたは、自分が誰なのか忘れなかった」
この紙芝居のおっちゃんの台詞からの、信長が麒麟を呼ぶ歌が好きすぎて………………。観劇2回目以降毎回泣いてた。台詞がうろ覚えなんですけど……………。(致命的)(円盤出たら修正します)(何ヶ月後だよ!)
◉今ようやくお前が必要だ
「来てくれ麒麟」と歌う信長に呼応して空から現れるきりん。
「きりん、初めておまえに呼ばれた!そしたら、結界を破る力、出せた!」
この台詞がなんだかやけに感動して、観劇4回目ぐらいからはもう毎回泣いてしまいました。いやこのシーンなんだかやけに感動するんだよ……なんだか……いいシーンだ……すごく感動的だ……ああ……語彙力がない……。
どこに行くかって聞かれて、「今一番困ってる奴のところにさ」って言うのもヤバい。泣いちゃう。泣いてる。
◉森蘭と森丸
ずっとキャッキャしててかわいい系だった森蘭が「森丸は弱いから死んだ……!俺も弱いから……!!」って男を出してくるシーンヤバイですよね。ヤバイ。ヤバイわ。うんヤバイ(語彙力)
ていうか森蘭丸を森蘭と森丸に分けるセンスやばない……?やばいわ……やばい……鬼才だ……(土下寝)
◉帰蝶の姐御
信之を追う4人の前に、立ちはだかる帰蝶。
「姐御を斬りたくない」と言う村重達、「何故です?お姉様は兄上を愛しておられなかった!天下人であれば誰でも良かったのではありませんか!?」と問うお市。それに対して帰蝶は「『惚れた』言われただけで自分のタマかけてまうとは……わても案外ウブよのぉ……!」と斬りかかってきます。
しんどいです。信之と信長と帰蝶の関係しんどすぎます。しんどいです。ナイス三角関係。泣いちゃう。
多勢に無勢。帰蝶は劣勢に。
「まだまだァ……!わては天下人、織田信長の女やき!!!」
と、高らかに宣言した瞬間。突然現れた足利義昭に切り捨てられてしまう帰蝶。
しんどみMAXです。しんどすぎてしんどすぎてしんどいです。帰蝶が信長を、本当は"信之"だと知っているのに、「自分は"天下人" "織田信長"の女だ」と声高に宣言するんです。自分を愛した男のために命をかけて、信之を信長だと、天下人だと認めて宣言するんです。もうやだしんどい。そのことがしんどすぎるし死んでしまうのもしんどすぎる。しんどい。泣きました。
◉長政様
帰蝶の死によって、悲しみに囚われ取り返しのつかない過ちをした、と激しい後悔の念に苛まれ、「最初からこうしていれば良かった」「あの人は……待っていてくれるでしょうか…………いえ、今のわたくしには、そんな権利さえありませんね……」と自刃しようとしたお市。それを止める勝家。
あなたには私がいます、あなたの待ち人が私じゃないのも分かっています、それでもあなたには生きていて欲しいと言う勝家の優しさと強さよ……!愛しさと切なさと心強さよ……!(号泣)
お市が正親町天皇に身を捧げたことすらも知っていて、それでもお市を愛す勝家が本当に男前すぎてヤバイ。「いつかあなたが天寿をまっとうして、迎えに来るのが私じゃないとしても」って台詞もヤバすぎる。初見ここで泣きすぎてなんて言ってるか全然分からなかった。あまりに泣きすぎて「この台詞聞いたらお前は死ぬぞ!」って耳が自衛したんだと思う。偉いわたしの耳。よくやったわたしの耳。
虚空に手を伸ばして「長政様……!……長政様……!」って呼びかけ続けるお市も涙腺ぶん殴ってきすぎてしんどすぎた。長政を探しているような、求めているような、許しを乞うているような、切なすぎる声色でさあ!!!!!もうしんどすぎて!!!!わたしは泣きすぎて!!!しんどすぎて!!!本当に長政様なんで死んだんや!!!!お市は長政様を失ったらやべえことになるって戦国BASARAで学んでるからわたし!!!!
最後の最後で、ずっと勝家に背を向けながら話を聞いて長政を呼んでいたお市が、勝家の方をゆっくり振り向くんです。
もう!!!!!!!!そこがまた!!!!!!!たまらなくて!!!!!!!!!もう!!!!!!!!!!!これからゆっくり愛を育めたらいいね!!!!!!!浅井夫婦も幸せになって欲しかったけど!!!!!!きっと長政はお市が幸せに暮らすことを1番に望んでるからさあ!!!!!!!!!!!!(号泣)
このシーンは観劇1回目から号泣したんですけど、2回目が1番号泣しました。本当にひどかった。舞台観てあそこまで泣いたの本当に初めてってぐらい号泣した。本当に息が出来なかった。嗚咽するところだった。嗚咽はギリ耐えた。でも毎回泣いた。いや泣きすぎ。自分でもヒくレベルで泣いてる。泣きすぎ。何回観ても耐えられなかった。つらすぎんよ。
◉きりん、きりん!
信之のもとに辿り着いた信長に、きりんは「おまえに死んで欲しくない!必ず生きて……!」と言い残し、その場を去ります。
もうこの台詞がなんだかすごく胸にきて。きちゃって。泣きました。観劇3回目ぐらいからじわじわきちゃって。以後ずっと泣きました。
「きりんさん、ようやく飛べましたね。天下人を見つけられましたね」と言う田村さんに、「きりん、初めて空を飛べた。あんな力出せたの、夢みたい……」と言ったのを最期にきりんは息絶え、田村さんは「死んだか……。これで次の麒麟が産まれる」と呟き、二人は消えていきます。
しんどいです。最期に「死んで欲しくない!」ってわざわざ信長に言いに来るなんて。しんどいです。しんどい。泣く。
◉俺だってお前らに妬まれるのスゲェ嫌なんだよ!
信長と信之と光秀、三人の大混戦の最中、光秀に撃たれる信之。そのままとどめを刺されそうになったところを、信長が信之を庇って刀を受け、光秀を殴り飛ばします。信之に斬られてボロボロの身体なのに。
光秀「何故だ!?そいつが死ねば、お前は生きられるんだぞ!?」
信長「俺はこいつの兄貴だからさ」
しんどい。名前を失って、最後の最後に残ったものは「兄」だったと。そういう……クゥッ……兄として弟を守ったと……クゥッ……(号泣)
◉兄弟
信長は意識を失った信之を背負い、安土城へ。
「もうちょっとだからな……!」とまるで幼い弟に言い聞かせるような優しい声をかけながら長い道のりを経て、辿り着いた高い高い天守閣。
「着いたぞ……!お前の大好きな、星がよく見える安土城の天守閣……!二人で麒麟に乗せてもらえたら、もっと早く着いたんだろうけど」って、本当に優しい声色で話しかけるのがしんどくてしんどくて涙と鼻水が止まりませんでした。信長も身体ボロッボロなのに。星が大好きな弟のために。しんどい。
二人で支え合うように座ってる姿も涙腺全力で殴ってくる。つらい。金平糖を食べた後の「うめえなぁ……」がものすごく重くてつらい。
信之がずっと金平糖を肌身離さず持ってるのもつらい。大好きなんじゃん。星も、金平糖も、お兄ちゃんのことも。しんどい。
「なんだよ、まだ怒ってんのか?じゃあ、そうだな、久しぶりに聞かせてやるよ。どんな話がいいかな……」
信長が星空を見上げると、一筋の流れ星。
そして信長は歌い出す。麒麟と流れ星の歌を。
『麒麟は天下人にしか見えない。麒麟を見た者は天下人になる。麒麟を巡って人は争い合う。麒麟は争いが嫌い。満天の夜空を流れた星を追いかけて、麒麟はいなくなってしまう。』
そう、この歌は、最初に紙芝居のおっちゃんが歌っていた歌と同じもので。
ああもう!!!!!これだよ!!!!!これ!!!!!そう!!!それです!!!!!!!!!まさかの序盤の紙芝居のかわいい楽しい歌が!!!!!!涙腺ぶん殴りソングになるなんて誰が思うよ?!?!?!、!俺は知らなかった!!!!!!!(不貞寝)
最初におっちゃんがしてた昔話と紙芝居、全てがここで繋がるなんてな……ハハッ……流石の俺もこれにはお手上げだぜ……☆
これがまた平野良くんの歌声が優しくて切なくて綺麗で、涙が次から次へと溢れてくるんだ…………歌うますぎ………………しんどすぎ…………。
◉兄ちゃん
「……なんの話だ……」
「信之……!」
「ここは……どうしてここに」
「お前は俺の弟だ」
「麒麟は」
「昔から何にも変わらない、星が大好きな、俺の弟だ。もう麒麟なんて追いかけなくていいんだ」
ほんとこの掛け合いしんどい。
「もう麒麟なんて追いかけなくていい」って言う信長マジでヤバい。しんどい。こんなん泣かんやつおらんやろ。語彙力をくれ……信長お兄ちゃんほんと(号泣)
「食うか?信之」って金平糖差し出すところも本当にヤバイ。やっぱりお兄ちゃんはお兄ちゃんで、弟は弟なんだ……!っていう。うん。駄目だ語彙力がない。泣く。
「城はもう要らない。信長の夢物語は終わったんだ。……そうだよね…………兄ちゃん」
そして、炎に包まれる安土城–––––––。
いやヤバイ。思い出しただけで未だに泣ける。つらすぎる。しんどすぎる。お兄ちゃんがお兄ちゃんだし信之が信之に戻ったのヤバすぎる涙腺が死ぬ。無理。
このシーンも全回泣いた。毎回耐えられなかった。平野良くんの優しい声色、優しい歌声が本当に切なくて胸がギュッとなって。安西慎太郎くんも本当に演技が上手すぎて。神懸かりすぎて。本当に演技上手い。天才。知ってる。
最後の最後に「兄ちゃん」って呼ぶのヤバすぎん???????ヤバイ。ヤバすぎる。ヤバイ。
◉紙芝居のおっちゃんの正体
「こうして、安土城を燃やした私は、転々と各地を回りました。ある時は紙芝居のおっちゃん、ある時は金平糖職人として……」
「まるでお兄さんのように、飄々と?」
「………………兄には、なれません」
もうね。全てが繋がるこの感じ。涙が止まりませんです。信之が紙芝居のおっちゃんだった。お兄ちゃんが最期に歌った歌をちゃんと覚えてて、紙芝居にして語り継いでた。しんどい。兄にはなれないって台詞もめちゃくちゃ重い。しんどい。
そしてここで徳川家康が爆弾発言。
「もう見えない?僕の後ろにいる麒麟」
エエーーーーーーーッッ!!!!!!!!!いやそうよ麒麟は天下人しか見えないから……いや……いやそうよ徳川家康だもん麒麟見えてもおかしくないよねいやでもエエーーーーーーーッッッッ!!!!伏線スゲェーーーー!!!!!!と、全身の毛穴がブチ開く感じがしました。今回の脚本、神すぎん??????
「人々は麒麟を求めて争いが起きる。徳川家には必要のないものだよ。だから、ここに置いていくね」
そう言い残して去る徳川家康。
一人きりになった信之は、静かに、何もいない空間に向かって声をかけます。
「そこにいるんですか?……麒麟………………さん」
問いかけても帰ってくるのは静寂ばかり。それでも信之は話を続けます。
「もし良かったら……一緒に行きませんか?…………そうですね…………星でも眺めに。私は昔、天文学者になるのが夢だったんですよ……」
(五体投地)
こんなの泣くやん……無理やん……ていうかその前のシーンからずっと泣きっぱなしやわ……無理やん……涙がとどまることを知らない…………人間ってこんなに泣けるんだって思った……。
麒麟にさん付けするのもしんどいけど「天文学者になりたかったんですよ」があまりにも涙腺をぶん殴ってくる。しんどい。ああしんどい。
しんどいな ああしんどいな しんどいな
〜闇鍋心の俳句〜
◉かつての兄弟
満点の星空を眺めながら、望遠鏡を取り合いながら、金平糖を分け合って食べるかつての信長と信之。とてもゆったりとしていて、とても優しい時間。
「あ!流れ星!」
「信之、あれはな、実は麒麟の尻尾なんだよ」
「もう……またそうやって嘘ばっかり……」
笑い合う二人に、聞こえる麒麟の鳴き声。そして夜空には流れ星のように駆ける麒麟の姿が………………。
〜終幕〜
いや……しんどい……しんどすぎるでしょ……散々辛くて泣いた後にこんな……幸せだった頃の二人を見せつけられたら泣いて泣くでしょ……無理……そしてまたここの星空が本当に綺麗で…………もう本当にお市と勝家のシーンからこのラストまでは毎回ずっと泣いてた。永遠に泣いてた。辛すぎた。しんどかった。
わたしが今までの年末シリーズで1番泣いたのは2015年の「晦日明治座納め・る祭」だったんですけど。ここにきて記録更新しました。る変が1番わたしの涙腺をポンコツにしていった…………。
本当に観て良かったし本当に笑って泣けて泣ける舞台でした。本当に良かった。円盤が出たら全ての人に観て欲しい勢い。貸すよ〜?闇鍋ん家で上映会するよ〜?みんな観よ〜?といった気持ちです。
本当に良かった。良かったとしか言えない。良かった。大好き。BIG LOVE.
2部の感想も書きたいんですが文字数がヒく程多くなってしまったので別記事に分けます。流石にね。13000文字ぐらいある。ヒくわ。ここまで読破した人マジですごいと思う。拍手喝采。感謝感激雨あられ。もし良ければ2部の感想の方も読んでね。おしまい。
(第二部感想はこちらhttps://boxpushdashi.hatenablog.jp/entry/2020/02/02/183913)