だしは料理の命

ある時はこんぶだし、ある時は闇鍋、その実態を見極めた者は未だかつて存在しないと云う–––

センチメンタルヤスコ(舞台)の話。

センチメンタルヤスコ2009を観ました。最初色んなことがワーーーッて起きてカオスだなと思ってたら後半の展開にピリッとしました。すごかった。そんな感想ブログです。

※ネタバレを含みます。要注意!

 

 

■7股をかける女、ヤスコ

意識不明で病院に搬送された女、ヤスコ。彼女の彼氏を名乗る男達が次々と呼ばれて、そこで彼らは互いに「彼氏」を名乗ることでヤスコが7股をかけていたことを知る。

スゲェ女だヤスコ……7股って……とんでもないあばずれだ……それなのにそんなに不快感ないんだよね。なんだろうね。ヤスコのキャラがぶっ飛んでるとこまでぶっ飛んでるからかな?すごかった。ある男にはレストランで今すぐここで抱いてとせがんで、ある男には愛しあうためのリスクとして万引きをせがんで、とにかく愛にはリスクがつきものだと考えていた?

等価交換の原則的なアレかな……何かを得るためには何かを失わなければならない的な……さてはヤスコ、錬金術師か?( ͡° ͜ʖ ͡°)

 

■SEXありの保護者

パワーワードすぎる。その後に続くのは父親だったり保護者だったり塾講師だったりするけど、その前に「SEXありの」ってつけるとマジで……笑。パワーワードすぎる。

 

■愛されたかった故の?

とにかく生きてる実感が欲しくて、愛されたくて、7股までかけたヤスコ、そういうことなのかな。

母親がクソビッチで、色んな男と寝ては中絶を繰り返して、最終的に中絶できなくなって産んだヤスコ。それでもヤスコを捨てて男と出て行って。まあそんな環境で育ったら愛に飢えるわな……ACまっしぐらやで……

不思議な魅力で色んな男を虜にして、色んな形で愛を育んで。そんな中で出る妊娠疑惑。具合が悪くて生理が来ない。

恐らくそのことを伝えたのはどんちゃんとかねちゃんだけ。……あの、わりと人が多くて役名を覚えきれなくて。どんちゃんはテンドウさんっていう役名なんだけど、かねちゃんは兼崎健太郎くんです。役名を忘れました。役名と役者名ごちゃ表記許してクレメンス()

どんちゃんが一番一緒にいた?っぽいから、具合が悪そうなことは伝わってて。もしかしたら妊娠?ってのも伝わってて。

で、かねちゃん。かねちゃんに妊娠したかも的なことを伝えて、大喜びするかねちゃんに、崩れ落ちて「誰の子かわからない、どんちゃんごめんね」って言うシーン。もしかしてここからか。これがきっかけか。かねちゃんがちょっと狂気に侵され始めたの。「どんちゃんって誰だよ!」って言ってた。自分の子じゃないのかも、そう思っておかしくなっていったのか。

 

■犯人は誰か

ヤスコの部屋を監視してた円盤での回想、そこではどんちゃんが首を絞めてた。(?)そんな回想だった。彼女は殺されたかった?愛した人に殺されたかった?そんな風に見える回想だった。愛した人に殺されるなら構わない。わかる。わたしも死ぬ時は好きな男に殺されたい。

ヤスコの愛が一番傾いてたのはどんちゃんだった?そんな感じだった。ていうか監視してた男、結局犯人の顔見たの?見てないの?よくわからなかった。見てそうなこと仄めかしつつ結局最後まで言わなかったし。

そして、最後。ヤスコが息を引き取った後。彼氏達ほぼ全員で、ヤスコが遺したテープレコーダーを聞くところ。

テープレコーダー聞こうとしたら、まだ電源入れてないのにヤスコの声が聞こえる。ナースセンターから放送で流されてる?そしてその場にいないテンドウ。犯人はテンドウだ!ってみんな居なくなるけど、一人だけその場に残るかねちゃん。泣きながら項垂れてる。そして回想と共におもむろに黒い手袋をはめて、なんかの線でヤスコの首を絞める。

ヤスコが倒れた後、去ったかねちゃん。テープレコーダーの山から現れて、倒れたヤスコに寄るどんちゃん

 

……どういうことだ……?

どんちゃんが殺したように見せかけて、本当はかねちゃんが殺した?どういうこと?ちょっとよくわからなかった。真犯人はかねちゃん?かねちゃんがヤスコを殺して去った後、どんちゃんはいつ現れたの?押し入れの中とかに潜んでた?それとも全てが終わった後に現れた?でもその後SEXありの保護者さんが来て、第一発見者になるんだよね?

もしくはどんちゃんがヤスコの元に現れたのはなんていうか、こう、演出?誰よりもヤスコのそばに寄り添っていたのはどんちゃんだったっていう演出?

かねちゃんが殺した、と思いきやヤスコはまだ死んでなくて、どんちゃんが現れてヤスコを発見して、死にかけのヤスコにトドメを刺した?もう手遅れで、死んでしまうならいっそ自分の手で最期をとかそういうこと?うーーーーんわからん。解釈難しい。モッヤモヤする。

そしてどんちゃんがナースセンターからの放送?でヤスコのテープレコーダーを流したのは何故?どういう意図?わからん……わからん……

 

■妊娠かと思いきやガンだった

この伏線はゾクゾクしたね……最初からたまたまその場にいて、話に巻き込まれちゃった足を怪我してた男の子。

ヤスコが息を引き取って、朝になって。ラジオ体操の音が聞こえて。明るいその子が忌々しそうに「動けるやつは自主的にやってるんだ.ラジオ体操踊れるくらいぐらい元気なら早く退院しろよ!!」って吐き捨てるんだ。ここでおや?って思うよね。この子まさか重い病気?って。

そしてその子が初めてヤスコに会った日のことを思い出す。二人はがんセンターで会った。暗い顔をしたヤスコにタバコは無いかと聞かれた日。

説明をする最中、足を怪我して松葉杖をついてたはずなのに、杖を放り出して普通に歩いちゃう男の子。あれあれ????

そして看護師さんが現れて、男の子に「そろそろセンターに戻ろうか」って話しかける。帽子を脱いだ男の子の頭はところどころ髪が抜け落ちてなくなってて……。うーん。がん患者ですね……。

衝撃的だった。まさかの伏線。帽子脱いだ意味はわからない(がんだってことを客にわからせたかったのはわかる。ただ、そこで脱帽する必要はあったのか)けど。

がんセンターに通ってたヤスコは末期の卵巣がんだった。余命半年だった。うーん。まさかの。伏線。これは驚いた。ナイス伏線。

そこから残された時間を一生懸命生きたヤスコ。首を絞められてなくても遅かれ早かれ助からなかった命。なんだか切ない。

 

■かねちゃんが泣いた

わたしかねちゃんが泣いたとこ初めて見たかもしれない。めちゃくちゃ良かった。かねちゃんめちゃくちゃ良い演技してた。これは観て良かった。

ヤスコが息を引き取って、泣きながらラジオ体操するところも。「君の言う"リスク"ってこういうことだろ?君が悪いんだ……」ってヤスコの首を絞めるところも。めちゃくちゃ良かった。すごく良い演技してた。表情がもう。サイコー。推せる。

プロポーズを断られて、ヤスコの言う"リスク"を考えるうちにおかしくなって、ヤスコを殺すことで愛を示そうとした?やべえ……やべえやつだ……何か言われたらすぐ買ってあげる、そういう物理的なリスクを背負ってるつもりなのに、伝わらなくて狂っちゃったのかな。うーん。良い。

でも、自分で殺したくせに、一生懸命身体を動かすのが大事、これこそが"生きる"ってこと、そうヤスコに教えてもらったって泣きながら語るのはやばいな。やべえやつだ。いや、殺したからこそ?何もかも背負って、殺した罪をも背負って、"リスク"を背負ってヤスコを愛した、そういうこと?や、やべえ……やべえやつだ……

とにかく、かねちゃんはすてきだな。すてきな演技をするな。そう思った。観て良かった。スーツに黒手袋とかド性癖です。ありがとうございました。

 

ていうか、最後テンドウをみんな追いかけてったけど、ほんとどうなるの?かねちゃんは?テンドウ追って、実はかねちゃんが殺したってわかって、かねちゃんを追いかける……その辺までやってくれてたらスッキリしたのに……解釈の余地を残してくれたんですかね……

これ、映画もあるんですね……しかもわたしの大好きなる・ひまわりさんが配給宣伝してるじゃないですか……見てみる価値はあるな……( ͡° ͜ʖ ͡°)